賢そうな鷹は言いました
「君は何を望んで何処に行こうとしているの?」
私は答えます
「ただ日常を望んで、ここにいようと思います」
意地悪そうな蛇は言いました
「生きているのに死んでいる、死んでいるのに生きている、君はどちらだい?」
私は答えます
「どちらかと言えば死んでいるのに生きてます」
優しそうな虎は言いました
「死は安らぎ、では生は?」
私は答えます
「生は喜びであり安らぎ」
真っ赤な太陽は言いました
「生は苦痛、では死は?」
私は答えます
「死は恐怖、そして停止」
最後に、美しい三日月は言いました
「あなたの望みは?」
最後に、私は答えます
「あなたのように、ただ静かに輝き続けたい」
「相沢祐一対美坂姉妹」
「二人一緒に戦えって言うの?」
カノン学園魔法演習場の一角、普段は賑わう其処も使っている生徒は三人だけだった。
その一人、美坂香里は怪訝そうに、そして何処か不思議そうにそう問いかけた。
「あぁ、悪いとは思ったけど……それが一番早いかなぁっと」
それに対し苦笑しながら、だが何故か自信満々に相沢祐一はそう答えた。
まるで何の気も負っておらず、緊張しているわけでもなく警戒しているわけでもない。
ただ自然体で時が過ぎるのをただ待っているだけのように見える。
これから模擬とはいえ戦闘が始まるというのに中々の度胸だ。
「私は構いませんけど……お姉ちゃんはどう?」
そう祐一の言葉を支持するように美坂栞は微妙そうに微笑んだ。
恐らくは姉の態度が気になるのだろう、少し顔色を気にしながらも祐一の意見には賛成した。
一度魔法合戦で負けているからか、寧ろ祐一の申し出はありがたかった……などと姉に言うわけにはいかない。
「まあ私だって戦って貰うのはこっちの頼みだし、有利になるんだからそこまで否定はしないけど」
「しないけど?」
「何でそんなに急いでるのよ、こんな提案あなたに不利になるだけじゃない」
そう、それが美坂香里の疑問点。
不思議な事に何故か相沢祐一は演習場に着いてから急かすようになった。
まるで何かを思い出したかのように、何かに追われでもしているかのように。
だから香里は納得いかない、完璧主義が故に気になる事は後回しにはしたくないのだ。
もしそんな些細な事に気を取られてこの戦いを無駄にでもしたら悔やみ切れない。
「いや、大した事でもないんだがな」
「何よ、大した事じゃないなら言えるでしょ?」
「あゆにこの後呼ばれてるの思い出したんだ」
「…………あゆ?」
いきなり人物名が出てきて、しかもそんな人物など知らなかった。
しかしどうでもいいがそれなら今まで言わなかった理由は単に忘れていただけという事か。
しかも大した事ないと言い切る辺り、相沢祐一の評価が段々と決まっていく。
戦う前からかなり相沢祐一の事は分析できた、どうやら彼はかなりの鈍感らしい。
それに無自覚、無意識さが目立ち人間関係ではあまり立ち回りが上手くはないようだ。
だけどその割には嫌みな所がない、吹っ切れたみたいな印象を受ける。
……戦争で活躍したという噂は誠か嘘かわからないが、何処か達観しているように思える。
「あゆ……さんって誰ですか?」
すかさず栞は祐一に対して突っ込んでいく。
何故か半眼で睨み気味なのは愛嬌という事で、私は苦笑しそうになる顔を何とか押さえる。
だが、それにまったく気づいていないのか相沢祐一は何故か栞の言葉に対して考え込む。
何と説明すればいいのか迷っているようだ、それほど難しい事なのだろうか?
それにしても、栞の行動にはさっきから驚かされる。
十中八九、栞が相沢祐一に対し何らかの感情を抱いている事は確かなようだ。
だけど……それは何故か世間一般で言う愛情とはまた違うような気がした。
どちらかと言えば仲いい兄妹のような、愛情よりは独占欲が勝っている気がしてならない。
まあその感情が今後どう転ぶか何て分からないが、今はまだそこまでの感情ではないのだろう。
出会ってからまだそんなに経っていないのに、やはり彼は少し特別なところがあるのだろうか。
「あゆは……何て言うか、昔の友達になるのかな? 昔カノンに居た頃の遊び相手だったんだ」
「あれ? 相沢君って昔カノンに住んでいたの?」
「あぁ、秋子さんや名雪に会いに偶にな」
少し意外だった、相沢祐一がカノンに来ていた時期があったのか。
まあ不思議はないんだろうけど、何故か違和感がある。
そうだ、そもそも相沢祐一はいつ頃カノンに来ていたのだろうか?
……質問してもいいが、あまり私生活に介入する事は良くない。
自分がされたら嫌だし、そこまでして知りたい事柄でもない。
「あっ、そういえば祐一さん、ちょっと聞きたいことがあったんですが……」
「ん? 何だ?」
「私達が最後に別れたあの場所……魔物が一杯来た廊下で何があったんですか?」
「……あ〜、あれか」
相沢祐一はバツが悪そうに頬を掻いた。
香里は話の主旨が分からず、聞き手として黙っていた。
どうやら話から察するに二人が戦争中に別れた際に何かあったらしい。
……そういえば私も少しは知っている事がある。
これはとある噂だが、学園の廊下で突如暴風が現れて魔物達の群れを一掃したとか何とか。
既に廃れている戦争後のくだらない噂話だと最初は思っていたがどうやら違うらしい。
まあ冷静に考えて学園内の誰かが応戦してものだと思うのだが。
異常だったのはその現場自体にある。
一度だけ戦後すぐに閉鎖された学園に足を運んだことがある私はその現場を生で見た事があるのだ。
あれは……地獄絵図だった、あれこそが戦場の真実だと云わんばかりに。
其処にあったのは殆ど散らかしたようにしか見えない魔物の屍肉と撒き散らされた血液。
冗談のように節操なく、天井や壁、それに床が満遍なく魔物の血液で彩られていた。
確かにあれは暴風、しかもあの一角だけに起こった"天災"と呼ぶに相応しい不運。
魔物達が死んでいた事が珍しいのではない、否、もしかしたら死んでいたことが珍しいのかもしれない。
血液量、屍肉の量を想定すると凡そ80匹程度の魔物がその場にいたようだった。
それほどの量の魔物を一掃できる魔法使いなど自分は少ししか知らない。
まあここまではまだ可能性として有りえる話ではある。
カノン学園はそれほどに質が高い魔法使いが居ない訳ではない。
自分や栞では数の多さに圧倒させられてしまうかもしれないが、例えば川澄さんなら撃退は可能だろう。
カノン最強の魔法使いである彼女なら、そのぐらいは成し遂げられる筈だ。
だが……異常なのは、その場で魔法が一切使われていない事が判明した事だ。
勿論魔力の残滓ぐらいは検出されたが、放出系……つまり直接的攻撃魔法は一切使われていないようなのだ。
詳しいことはわからないが……あれはそう、まるで剣一本で立ち向かったような痕しか残っていないのだ。
そんな魔法使い、カノン学園で思い当たる人物なんて川澄舞以外思い当たらない。
だが、ここでまた不思議な事実が浮かび上がる。
川澄舞自身がこの戦闘への介入を否定したらしいのだ。
『……私じゃない、私ならこんな事出来ないから』
まるで何かを見据えるような顔をしながらそう呟いたらしい。
私もそこまで興味があった話題ではなかったのでその事に関してはそれ以外の情報は知らない。
だが、今考えると……あの時学園内には彼も居たのだ。
相沢祐一、魔法経験2Aの魔法使い。
しかも本業ではハンターでもあるらしい実戦派、つまりあれだけの事が出来たとしても……不思議はない。
だがそうなると……香里は少し身震いした。
あれだけの実力を持っているという事なのか、相沢祐一は。
ただでさえ競争率が高い二年の部に不安分子が出来たということは……拙い。
いや、だがまだそうと決まったわけでもない。
だからこそ、香里は祐一と栞の会話に静かに耳を傾ける。
「まあちょっとな……やりすぎたとは自分でも思うんだが」
「あっ……あれってやっぱり祐一さんだったんですね!!」
「え、あ……いやぁ! 実は俺じゃないんだよ、うん」
などとわざとらしく訂正する祐一に、栞は嬉しそうに顔を綻ばせる。
どうやら栞は相沢君が何かを隠している事が嬉しいらしい。
多分私を守るために普段隠している力を解放させる何て物語の中の主人公とヒロインみたいです〜っとか思ってるんでしょうね。
「さ、さーってと、そろそろ始めようぜ」
そういいながら相沢君は強引に話を変えようとする。
どうやらこれ以上は突っ込んで欲しくないらしい。
多分話す気もないのだろう、雰囲気からそう察した。
だからこそ、私は自分のローブからタクト型の杖を取り出し無表情で構えた。
それを見て相沢君も苦笑しながらこちらに対し無言で構える。
……どうやら彼は素手で戦うようだ、補助道具は邪魔なタイプなのか。
そうなると……まだ序列試験での戦い方が見えてくる。
そんな私達の空気を察したのか、栞も慌てて自分が着込んでいるローブの中に仕舞ってある杖を取り出した。
栞の杖もタクト型で姉妹で同じ材質の杖を使っている。
飾り気の無い木製の杖、普段私達が好んで使う日常的な杖だ。
私には他にも銀製の杖やロッド型の杖などがあるが、栞はこの一本だけのようだ。
……其処が私と栞の才能の違い。
私は装備品を駆使し魔力量を計算し常に自分の理論を展開しながら計算して勝つ。
対して栞は使いやすい杖を使い膨大なる魔力を駆使して戦い、力で押し勝てる実力を持っている。
今はまだ私が総合的な面で勝てるが、数年先は恐らく魔法使いとしては負けてしまうだろう。
私には魔法使いとしての限界がある、栞には魔法使いとしての才能がある。
結局は、努力では才能には押し負ける。
それが世の中の事実であり、残酷な現実でもある。
「……それじゃあ始めましょうか」
だけど……っと、私は雑念を振り切って目の前の相手に集中する。
今はそんな事関係ない、そんな事より目の前の現実に対応することが大切だ。
戦うのなら最善を、試合をするなら最高を。
「行くわよ栞、容赦はいらない……一気に決めましょう」
私はどうすればいいのか迷った。
戦う相手は祐一さん、それはいいんですが……問題はこの共闘状態。
自分の実力は自分が良く分かっている為にお姉ちゃんの足手まといでしかないような気がします。
だけど、祐一さんともう一度戦いたかったのは事実。
そして、戦うんなら勝ちたい。
だからこそ覚えた魔法もある、教訓もある。
でも、この共闘状態なら色々な意味が違ってくる、対応が変わってくる。
―――ううん、悲観することは無い。
何故ならこれは勝利への確率が数倍上がっただけなのだから。
魔法使いたるもの、使えるものは使い自分の利とする……それが学園で習った魔法使いの本質。
だったら……私は自分の特性を生かし勝利に出来るだけ貢献するしかない。
「行くわよ栞、容赦はいらない……一気に決めましょう」
お姉ちゃんの声が聞こえる、信頼して憧れて、そして今……隣にいるお姉ちゃんの声が。
―――そうか、今……私は立っているんだ。
姉と同じ舞台に、姉と同じ位置に、姉と同じ……魔法使いという位に。
私の名前を呼んでくれた、私を仲間の一人だと勘定に入れてくれた。
足手まといかもしれない、役立たずなのかもしれない。
でも、だからこそ……私は頑張れる。
だから―――私は出来るだけ大きな声で、それに答えた。
「―――はいっ、絶対に勝ちましょう!」
「当然、美坂家の壁の厚さを思い知らせてやりましょう」
私とお姉ちゃんは杖を構えながら左右にゆっくりと散る。
今回の戦いは前回とは違い魔法合戦ではない。
模擬戦、地形を考慮して自由に動き回れるフィールド。
なので最初は……まず祐一さんの行動力に制限を与える。
それが私とお姉ちゃんが思いついた最初の行動。
示し合わせた訳でもなく、二人は違う方向から祐一さんを囲み出す。
そんな私達を見て、祐一さんは一瞬眼を細めたがすぐに苦笑した。
「流石姉妹……行動に迷いが無いな」
そう言って祐一さんは油断無くこちらを見据えながら右腕をお姉ちゃん、左腕を私に向けてその場から動かない。
どうやら本当に二対一で戦うらしい、正直無謀だとは考えないのだろうか?
でも、祐一さんが本当に実力を隠していたとするならば……もしかするかもしれない。
だったら―――その疑問、確信に変わる前に一気に決めちゃいましょう。
「―――『砲台』二、『使い』一っ!」
私はそう叫んでゆっくり動いていた足を止めた。
そんな私の行動に、しかし祐一さんは付いてこれずに困惑する。
それもその筈……こんな暗号めいた事、お姉ちゃんぐらいしか分かる筈もない。
―――だから、お姉ちゃんには一瞬で理解出来たらしく頷く事もせずにただその場から走り出した。
その行動に祐一さんは一瞬気を取られる。
流石に何をしているかわからない作戦に思考を巡らせているのだろう、反応が若干鈍くなる。
其処を見計らい、私は杖を祐一さんに向けて一気に魔力を体中に循環させる。
「―――与えよ煉獄なる炎、与えよ灼熱なる炎、狂いし地獄の業火を持って敵を殲滅せよ」
「上級―――ッ!?」
祐一さんは虚を突かれたように私を凝視する。
恐らく私の体内に循環された魔力量で冗談ではないと悟ったのだろう。
そう、前の戦いでは私は上級魔法何て使っていない。
初対面の相手だったし、魔法使いは最後の切り札は隠しておくもの。
だけど―――今ここで虚を突く為には"これ"を使う必要がある。
案の定祐一さんは迫る脅威に身構える。
…………だけど祐一さん、ここを何処だと思ってるんですか?
「………………………嘘です……よっ!」
「何…………っ!?」
私は唱えていた詠唱を中断させると軽く笑った。
一瞬祐一さんの動きが固まる―――多分それは人間として当たり前の動作。
対応能力の限界は誰にだってある、それが今だ。
「―――"インフェルノッ!!!"」
それは―――祐一さんの後ろ、走り出していたお姉ちゃんの声から発せられた詠唱破棄魔法。
中級魔法でもある炎熱系の基本的魔法であるインフェルノ、使い古された基礎の基礎。
だが……それでもこの魔法は今現在でも使われていて多用される。
それだけの価値がこの魔法にはある、使いやすさと魔力消費を考えれば習得する事に迷いは無い。
そして―――その炎が容赦なく相沢祐一一人を目掛け襲いかかった。
「――――"ヴィルヴェルヴィントッ!!!"」
瞬時、祐一さんは体をまるで駒のように跳ねさせ反転し、そのまま片腕を突き出しながら唱えた。
あの体勢から殆ど無理をして跳んだために現在の体勢は不安定だがしっかりと向かってくる魔法を見据えている。
中級魔法詠唱後、祐一さんの体の回りに竜巻が出現したように風が巻き起こる。
そして迫り来る炎と風がぶつかり合い相殺を試みようとしていた。
衝突した魔法達は拮抗し、周りに火の粉と突風を巻き起こした。
私とお姉ちゃんは飛んできたそれらをローブを盾にしながら払った。
対して衝突の中心辺りにいた祐一さんは、それらに構うこと無く……走り出した。
「……え!?」
私はそれを見て驚いた。
祐一さんは本当に気にしてない、飛んできた炎も風も。
でも……気にしてないだけで確実にそれらは祐一さんの体を傷つけていた。
まるで自ら傷ついているかのように、何かを目指しているかのように。
―――っと、お姉ちゃんが向こう側で何かを叫んでいる事に気づく。
中級魔法同士がぶつかり合っている為に爆音が響いているので今まで気づけなかった。
私は瞬時にお姉ちゃんが叫んでいる内容を悟る。
だが、悟ったときには……もう祐一さんは目の前まで迫っていた。
そう、祐一さんが目指していたのは私。
傷つくことも構わずに走り出していたのは今が絶好の反撃の機会だと悟った為だ。
それなのに―――私はここでボーッと突っ立っていた事になる。
恐らく、ここが戦闘経験の差。
普通なら一歩退く場面で祐一さんは一歩踏み出したのだ。
これが実戦経験が豊富なハンター、相沢祐一の実力。
だから…………だからこそ、私は軽く苦笑した。
私は前の戦いで同じように敗北した。
これはある意味前回の焼き回しのような場面だった。
不意を突き、実力なんて発揮させずに相手を打倒する。
成る程、ここまで来ると祐一さんは確かに戦闘面では私の一歩も二歩も先にいる事は間違いなく事実。
でも……この状況を待っていたのは何も祐一さんだけじゃない。
「――――"ウィンディウィップッ!!"」
続く祐一さんが唱える詠唱破棄呪文、恐らくは拘束するための初級魔法。
風の戒めが私を目指し駆け寄ってくる。
避けられるほど私の反射神経は良くない、それにこれだけ近ければ防いだところで次は体術で押さえ込まれる事だろう。
いくら魔法勝負とはいえ模擬戦では体術なども認めれられる。
私なんか祐一さんにとっては押さえ込むのに苦労なんてしないだろう。
でも―――だからこそ、チャンスは目の前に転がっていた。
「―――術式解凍、"エナジーシールドッ!!!"」
そう詠唱しながら、私は前面に"とあるもの"を広げた。
祐一さんはそれを見て、一瞬にして私の企みを理解した。
展開したのは……私がいつも身につけているストール、そして……私の少ない魔道具の一つ。
初級魔法程度なら―――完璧に防ぎきる事が可能な防壁が魔力だけで展開される。
祐一さんが放った初級魔法はストールが張った防壁にぶち当たるとそのまま消失した。
ストールは役目を果たすと床に落ち……残るは私の目の前にいる祐一さんのみ。
体術を決めようとしているのか祐一さんは速度を落とさず走ってくる。
それはある前提を元にして、祐一さんは向かってきているのだろう。
私を選び、お姉ちゃんを後回しにした理由。
私の弱点、私の欠点、私の盲点、私の…………攻略点。
それは―――私が―――っ!!!
「これを出来ないと思ったから―――ですよね!」
「なっ―――に!?」
私は向かってくる祐一さんに対し、杖を持つ手……とは逆の何も持たない手を突き出した。
これが私の秘策、思いついた逆転策。
祐一さんの顔が、表情が凍り付いた事を感じる。
前回の教訓、前回の失敗、前回の結果。
弱点は、上手く使えばそのまま利用できるって事です。
何時までも―――私が、出来ないままでいると思ってるんですかっ!!
「―――"ファイヤーボールッ!!!"」
初級魔法、そして基礎中の基礎。
扱いやすさでは最高クラスの汎用魔法。
だけど私は、凄く苦労し勉強し習得をした。
未だに成功率は100%ではないけれど、今回は失敗しない。
云うならば今回の私の最後の切り札だから。
だから―――私の、実戦初めての"詠唱破棄魔法"は……真っ直ぐに目の前にいた祐一さんへと飛んでいった。
to be continue……
あとがき
…………あー(何
今回は魔法対決、久しぶりに魔法使いしている彼ら。
主人公頑張った、そろそろ出しゃばりすぎ感溢れてます(マテ
色々なもん回収してます、今回の副題は成長。
そう言えば栞さん、詠唱破棄魔法なるものが扱えない子でしたw
むむ、微妙に香里さん目立ってないな。
次回は……「祐一君、星に成る」をお送りしたします(嘘
―――第二部・第四話−T★キャラクター辞典―――
【No.5】―美坂栞(16歳)―
職業:カノン学園一年生
得意属性:炎&水
標準武装:木製の杖(タクト型)
魔法経験:1A
魔力測定:1S