―――辛くても立ち上がれ―――

 

―――悔しくても立ち上がれ―――

 

―――悲しくても立ち上がれ―――

 

 

 

 

―――我らは生ある限り彼の者の盾となり剣となる―――

 

―――そう……剣に誓ったのだから―――

 

 

 

 

ロードナイツ

 

プロローグ

「闇夜の決闘」

 

 

 

―――爆音。

 

月明かりさえ届かぬ闇の中、一人の少年が目の前にいる影と戦闘を繰り広げていた。

少年の手には一振りの光り輝く剣、それを降り下ろす度に凄まじい爆音が辺りを包む。

 

―――爆音。

 

「ギギ……ギッ!」

影は唸りながらも後退を繰り返す、何故ここまで"目の前のモノ"がこの身を傷つけるのかが不思議でならない。

自分の目の前にいるモノは普段、自分達が食料にしているような貧弱な生物であったはず。

……それをどう間違えればこの身を切り裂く、いや、この身を弾き飛ばすような力を持っているのか。

 

―――爆音。

 

少年は思う、目の前のモノは許せない。

意味なく人間を狩り意味なくその身を食すその無意味さが許せない。

普段は人間など食べずに自分と同じ影を食べ生きているはずのモノが何処をどう間違って今の禁忌を犯したのかはわからない。

だが本当に許せない事は……コイツは無抵抗の子供を殺した。

 

―――爆音。

 

またもや身が引き裂かれた影は無言でその身を捩る。

しかし、少年の攻撃はかわせない。

 

―――爆音。

 

少年は避けようとする影を逃がさないように"爆発の範囲"を広げる。

捕らえた獲物は逃がさない、それが例え誰であろうと……。

 

―――――――――爆音。

 

「――――――ッッッ!!!」

声にならぬ絶叫、影はもはや残すところ一握りの存在になっている。

闇夜の不死者と呼ばれた身体が段々と崩壊していく……、それは影にとっては初めて感じる明確な死であった。

しかし、それは普通ありえない事だ、不死者とは死なぬが故不死者と呼ばれるもの。

それがただの爆発でここまで身を崩壊させることはない。

だが……、もしその作業を実は"目にも留まらぬ速さで繰り返していた"としたらどうだろうか?

 

―――爆音、爆音、爆音、爆音。

 

不死者とは主に復活、または復元するものの事を指す。

修復ではない、回復でもない。

本当に"時間を巻き戻す"ぐらいの復元能力がなくては不死者とは呼ばない。

故に彼らは傷つきはするが数秒後には殆どの傷は復元できる。

 

―――爆音、爆音、爆音、爆音。

 

だが、実はその復元能力も無限ではない。

数え切れぬほどの数ではあるがきちんと回数は限られているのだ。

それ故……不死者も無限に死なぬというわけではない。

 

―――爆音、爆音、爆音、爆音。

 

だから少年は止まらない。

剣を振り上げ振り下ろす、そしてまた振り上げ振り下ろす。

そんな作業をもう千と続けてようやく今の結果が生まれていた。

不死者の崩壊、本来ならば同じ不死者か復元封じの能力を持つ神器の使い手以外にはありえぬ敗北。

 

―――静寂。

 

そして、場は沈黙に包まれた。

影はもはや復元限界を超え、このまま何もせずとも消滅するであろう。
「―――ギ、ギギ」

苦しそうに唸るもはや低級の魔物にも届かない未熟な魔族と化している影。

そんな不死者の末路を見下ろしながらも少年はまたもや剣を振り上げる。

光り輝くその剣はただ静かに影の死を物語っていた……。

「何か……言い残す事はあるか?」

―――戦闘が始まってから少年は初めてただ一言、そう告げた。

それが少年の最大の慈悲だった。

「ギ…ギギギ」

影はもはや声にならぬ言葉で何かを告げる。

しかし少年にはそれがわかったのか軽く眉を顰めながら剣を振り下ろした。

 

―――爆音。

 

不死者は消滅する。

「―――」

少年はそれを見届けながら手にした剣に対し何かを呟くとその剣は最初からなかったように消滅する。

そして……闇夜の戦闘は終わった。

 

 

あとがき

多分初めて見た人は意味不明。

プロローグなので多めにみてください(´∀`)

皆様からの沢山のオリジナルキャラクター応募、本当に感謝しています。

全ての設定を使いきれるかわかりませんが出来うる限り使わせて頂きます。

後文章昔とちょっと変えました、昔の方がいいと思った人がいましたら連絡ください。

……まあ自分で読んでて読みにくい!って思ったからこちらにしたんですけどね(ボソ


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